京手描友禅の工程

京手描友禅の特徴と染匠の役割

京手描友禅は少なくとも12~15の工程を経てできあがります。
工程は分業化され、各工程に高度な専門技術が必要なため、工程ごとに専門の職人が腕をふるいます。連携を保つのがとても大切で、図柄の発想から完成まで統括するのが染匠の役割です。

京都の水は良質の軟水で染料との相性がよく、きれいに発色します。また、細やかな彩色やぼかし技術で色に深みがでるのは、手描き友禅ならではです。染め上がったあと、刺繍や金彩を施し華麗な着物に仕上げ、京手描友禅としてお手元にお届けしています。

主な工程

1.企画考案

美しい京手描友禅に仕上げるために、構想を練ったうえで染匠が思い描くイメージを具体的に表現する必要があります。そのため長年の経験と独自の感性で模様と色彩の配置、バランスを考えて意匠図案を考案していきます。
そしてその衣裳と品種に適した生地の選択をします。

2.下絵

白生地に露草の花からとった青花液で、薄くあたりをとります。
あたりとは、大まかな図柄を生地に描いて、着物全体のバランスを保つようにアウトラインだけを描いていく作業のことです。それが終わると、今度は濃い青汁液で模様の本体部分など、細かい部分まで正確な模様を描いていきます。

3.ゴム糸目

下絵(図案)に沿ってゴム糊を置き、挿し友禅の際に染料が他ににじまないようにします。
柿渋を和紙に塗って固めた筒の中に入れ、絵に沿って絞りだして置いていきます。

4.伏糊

生地の地色を染める際に模様の部分に色が入るのを防ぐために必要な工程が伏糊です。
糸目糊で囲んだ後、さしゆうぜんで染めるところに糊をムラなく置いていき、その上に挽粉(ひきこ)を振り掛けます。この部分は引染をする際に模様の部分が染まらないように防染する働きをします。

5.引染

引染(ひきぞめ)は地染(じそめ)とも言われ、生地に染料液を刷毛で均一に、またはぼかして染めます。
引染は生地全体を染色することが多く、最も広い面積を染色するため、京手描友禅の重要な工程のひとつと言えます。

6.蒸し 7.水元

友禅染と引染された染料液を生地にしっかり定着させると共に、完全な発色を促すために蒸しの工程に入ります。蒸し枠に取り付けられたピンに生地耳を掛け、生地が重なった場合に色が移るのを防ぐために紙を間に挟みます。蒸し箱に入れ約100℃の蒸気で20~50分蒸します。
水元の工程は、生地に残った余分な染料、薬剤や糊を完全に洗い落とすために行います。生地に少しでも不純物が残っていれば、生地の質の低下につながるので、きれいに落ちるまで洗い流します。

8.手挿友禅

筆と刷毛を駆使して絵模様部分に染料などで染色していきます。
薄い色から濃い色へと順番に染めていきますが、筆や刷毛の使い方次第でぼかし模様も染められます。
全工程の中で最も色彩感覚や創造性が求められ、友禅師の個性が発揮される工程です。

9.蒸し 11.水洗 12.水元

染色液を定着させるため再度蒸しの工程をします。
蒸しが終わると生地に残った余分な染料、薬剤や糊を完全に落とすために大量の水で洗い流します。

13.金彩

染め上がった生地に金箔を接着加工する技術です。
京手描友禅と一体化し調和のとれた華やかさを具体化します。

14.手刺繍

絹糸・金糸・銀糸を使い、「京縫い」と呼ばれる技法でその仕上がりに美しい彩りと豪華さを与えます。

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